020-18

2022-05-26 (木) 11:01:11 | Topic path: Top/020-18

第20回研究会

ボラティリティ・クラスタリングが観測される時系列のローソク足同時分布モデル

著者

内木正隆,DE BRECHT Matthew, 櫻川貴司(京都大学)

概要

金融時系列データを生成モデルに学習させる試みの第一歩として、一部の情報を抜き出したデータの分布を学習するモデルを提案・評価する。株価等のいわゆる四本値はローソク足チャートとして従来から値動きの分析に広く用いられている。それらのデータのうち、単位期間間の値動きを除いた部分、即ち始値に対する最高値、最安値、終値の比率という単位期間ごとの3次元データを分布として学習する。ボラティリティ・クラスタリング等で知られている通り、こういったデータには確率過程として定常性が必ずしもなく、またLebesgue絶対連続性がないと考えられるため単純な密度関数によってはうまく近似できそうにないという2つの問題がある。本研究では終値の系列よりも自己相関性が高いと指摘されている高値と安値の差の系列を用い、その指数平均によってスケール調整を行なうことで前者の問題を軽減することをまず提案する。これはGARCHモデルにヒントを得たもので、定常性を最大化するように指数平均の係数を学習するものである。2001年から13年のS&P500を用いてこの処理の前後で分布のEarth Mover's Distance (EMD)の平均を比較すると実験条件では約7分の一となった。また絶対連続性がない3次元分布を表せる6種類のモデルとそれらをEMD最小化により学習させる方法を提案し、それによりスケール調整後のデータを学習した。学習モデル達が生成するデータとテストデータのEMDは、学習データの重心に集中するδ分布とテストデータのEMDの6分の1程度だったが、テストデータと学習データのEMDの5倍程度であった。

キーワード

Earth Mover's Distance,GARCH,S&P500,金融位系列,生成モデル,四本足,ローソク足,絶対連続性,ボラティリティ・クラスタリング,非定常過程

論文

fileSIG-FIN-020-18.pdf

添付ファイル: fileSIG-FIN-020-18.pdf 3165件 [詳細]
トップ   編集 凍結 差分 履歴 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS