リターンに基づくクラスタリングを用いた投資信託スタイル分析†
著者†
副島聡一郎(名古屋工業大学), 松井藤五郎(中部大学), 犬塚信博, 武藤敦子, 森山甲一(名古屋工業大学)
概要†
本論文では実際の運用方針に基づいた投資信託のグループ分けを行うことを目的に、リターンに基づいた投資信託のクラスタリングを提案する。投資信託とは販売会社を通じて集めた資金を、資産運用の専門家が金融資産に投資するように指示し、運用成果が投資額に応じて分配される仕組みの金融商品である。従来手法では、投資先類似度に基づいて投資信託をクラスタリングしていたが、投資先は運用会社以外は確認ができないため、運用会社以外が用いることはできない。そこで、外部からでも観測可能なリターンに基づいて投資信託をクラスタリングする手法が提案されたが、この手法は同一ベンチマークのインデックス型投資信託、すなわち、同一の運用方針を取っている投資信託のみを対象としていた。本論文では、この手法を様々な運用方針の投資信託に適用する方法に拡張する。また、提案手法を用いて投資信託を分析し、運用方針が類似している投資信託が同じクラスタに含まれていることを確認する。
キーワード†
クラスタリング, スタイル分析, 投資信託