機械学習による為替フォワード取引期間の判別モデル†
著者†
雉子波晶(茨城大学), 杉本誠忠(ワイジェイFX), 酒本隆太(岡山大学), 鈴木智也(茨城大学, 大和アセットマネジメント)
概要†
外国為替証拠金取引業務におけるロールオーバーについて分析する.一般に実務においては流動性の観点より,受渡し日が短いトゥモローネクストでロールオーバーするのが一般的である.しかし理論的には,1週間や3週間などより長期のフォワード取引の方が高いスワップポイントを受け取ることが期待できる.そこで我々は機械学習によって長期のフォワード取引を選ぶべきタイミングを検出し,長期と短期を組み合わせた混合戦略を提案する.このタイミングは,対象通貨の為替相場や株式,債券,商品先物など様々な要因が非線形的に影響すると考えられる.またフォワードレートは一般的にカバー付き金利平価説によって定式化できるが,突発的な通貨の需給によって,実際のフォワードレートは理論値から乖離することがある.本研究ではこのような乖離に影響を与えうる要因を説明変数とし,機械学習によって適切なフォワード期間を選択するための判別モデルを構築する.
キーワード†
外国為替市場, フォワード取引, スワップポイント, 機械学習