オプションによるオプションのヘッジを可能にする二重 Deep Hedging 機構†
著者†
平野正徳(東京大学), 今城健太郎, 南賢太郎, 島田拓弥(Preferred Networks)
概要†
深層学習と価格時系列シミュレーションを用いてオプションのヘッジ戦略を学習するDeep Hedgingは,取引手数料などを考慮に入れたより現実的な取引戦略を立てることができるため,近年脚光を浴びている.しかしながら,オプションを複数のオプション等でヘッジする局面のシミュレーションによる学習において,ヘッジツールとしてのオプションの価格付けもDeep Hedgingで行わなければ,その良さを生かすことができず,計算量の多さから実現されてこなかった.そこで,本研究においては,オプションを複数のオプション等でヘッジする局面の問題設定を行ったうえで,Deep Hedgingによる価格付けモデルの学習方法の改良により,現実的な計算量に収め,オプションを複数のオプション等でヘッジすることを可能とする手法を提案する.また,提案手法を用いて,オプションを現物でヘッジする時よりも,オプションを複数のオプション等でヘッジする方がリスク低減が効果的に行えることを示すことで,本手法の有効性を示す.
キーワード†
Deep Hedging, オプション, 金融派生商品, シミュレーション, 深層学習