機械学習を用いたアナリストレポート分析と投資判断レーティング予測†
著者†
鈴木章悟, 小澤誠一(神戸大学), 渡辺一男, 廣瀨勇秀, 池田佳弘, 飯塚正昭, 西田大輔(三井住友DSアセットマネジメント)
概要†
投資信託運用会社のファンドマネージャーは、アナリストがまとめた投資候補企業の調査結果を参考に投資方針を決定するが、候補対象が多いと相当数のレポートを参照する必要があり、熟読が困難とされる。そこで、レポートの内容から、(1)当該企業の景況感を正確に判定して、(2)投資判断上、重要な情報を抽出する技術が求められる。本研究では、ファンドマネージャーの業務支援を目的とし、とりわけ(1)の要求に対し、投資判断の格付指標であるレーティングを予測する機械学習モデルを構築した。投資判断に影響を与えるレーティングには、特に歴の浅いアナリストが極端なレーティングを敬遠する傾向があるなどの問題もあることから、機械的な同一基準でレーティングを与える文書のデータ拡張を試みた。既存のデータ拡張方式として、WordNetから取得可能な同義語でデータ拡張する方法があるが、本研究では、これを金融文書での出現頻度に基づいてデータ拡張する手法を提案する。実験の結果、提案したデータ拡張方式の有効性を検証した。
キーワード†
機械学習, データ拡張, アナリストレポート, 文書解析, レーティン予測