効果的な取引時間延長の検証†
著者†
三輪宏太郎(東京海上アセットマネジメント)
概要†
本研究では、時間外取引を行う市場参加者が少ない状況下でも、どのような取引時間延長が有効になり得るか分析を行った。具体的には、プレマーケットセッション、アフターマーケットセッションの導入効果及び、どの程度の長さのセッションの導入が有効となるか、人工市場モデルを使い分析を行った。結果、時間外取引を行う市場参加者が少ない状況下では、多くの場合、価格効率性及び価格安定性を低下させることが分かった。この悪影響は、時間外取引時間帯が長いほど、そして、アフターマーケットセッションの導入時に顕著であった。逆に、短時間のプレマーケットセッションの導入であれば、時間外取引の参加者が少なかろうと、価格効率性や価格安定性を改善しうることが分かった。
キーワード†
Extended trading hours, Agent-based market model, Price efficiency. Return volatility, Trading volume